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『第3回ニュース・博識甲子園』振り返り座談会〜日高さん、山本さん、齊藤で名シーンを語る〜

2020/10/23 blog

9月13日(土)に開催された『第3回 ニュース・博識甲子園』の全国大会(一般社団法人日本クイズ協会主催)。新型コロナウイルスの影響もあり、完全オンラインでの開催となった今大会を、司会の日高大介さん、解説を担当された大会サポーターのQuizKnock・山本祥彰さん、日本クイズ協会代表理事の齊藤喜徳の3名に振り返ってもらいました。印象に残った名シーンについて語り合いました。

 

 

長時間のリモートクイズはメンタルが勝敗を左右する

 

――『第3回ニュース・博識甲子園』全国大会の感想を教えてください。

 

山本さん:今回は大会全体を通して、リモートで行われたのが大きな特徴でした。でも普段の団体戦のクイズと違って、1人で部屋で、画面越しに長時間戦わなくちゃいけない。しかも決勝だと、自分の番が回ってくるまで待たないといけないので、その間に「さっきミスちゃったな」とか思い返す時間ができるというのも大変ですよね。優勝した慶應義塾高校は準決勝を見ても、おそらく一番知識量があるチームだと思いますけど、決勝では「自分の出番の時に限ってわからない」というリアクションが見て取れて、問題の巡り合わせがすごく重要な形式でした。それでも優勝したのは実力の現れだと思います。

 

日高さん:この春からテレビの収録などでもリモートの現場を見てきましたが、リモートでのクイズというのは、1人ですから、自分自身でメンタルを保ち続けないといけない。こちらが見ている以上に酷な競技だと思いますね。でも、今回の決勝のラリークイズはとても見ごたえがありました。問題が難しめだったのと、プレッシャーで出てこなかった、というので80問中79問まで使うことになりましたけど、最後まで戦いを投げ出さず戦いきってくれた彼らには本当に感謝ですし、お疲れ様でしたと言いたいですね。今回特に名勝負だったのは、予選をトップで勝ち上がってきた松江高専と、勝負強さで勝ち上がってきた通信制のN高校の対戦。結果、N高が松江高専を破って、N高の西塚さんや庄司さんが涙を流していましたけど、これが高校生のクイズ大会のいいところですよね。それを見ているスタッフたちもみんなグッときていて。

 

山本さん:全力でやっていないと、泣くことってできないと思うんですよ。だから普段の頑張りが垣間見えて、感動しますね。

 

齊藤:N高校は通信制なので、普段からリモートで、今回と同じ「孤独な環境で」活動をしていて、そんな彼らが台風の目になったというのも今大会を象徴するシーンだったのかもしれませんね。

 

日高さん:「交流はあるけど、まだ顔を見たことがないメンバーもいる」ということも試合前のインタビューで言っていましたね。逆に言うと、そういう人たちでも平等にクイズを戦えて、全国大会のベスト4にまで食い込めた。コロナ禍というのは決して喜ばしいことではないですけど、文化的側面からいうと、そういうことに気づかせてくれた大会だったと思います。また、早押しクイズを一切やらなくても、こうして日本一を決める大会ができたというのも意義深いのではないでしょうか。

 

齊藤:それから島根県の松江高専のように、今回はオンラインだからこそ参加することができた地方の高校も健闘していましたね。

 

日高さん:「全国47都道府県、どこの町でもクイズで結果を残せる可能性がある」というのを身をもって教えてくれましたよね。しかも、彼らは底抜けに明るいし、礼儀正しい。とてもいい3人でした。全国大会1回戦は本当にもったいない対戦ばっかりでした(笑)。ぜひ松江高専はこれを実績にして、クイズ研究会を設立してほしいですね。

 

 

知識を得て世界が広がる楽しさを伝えたい

 

――『ニュース・博識甲子園』も3年目を迎えましたが、特にここ最近はクイズが盛り上がっています。皆さんはどのように感じられていますでしょうか?

 

齊藤:全国大会に進出した女性は西大和の島本さんと、N高の庄司さん・西塚さんの3人だけでしたが、予選会には本当にたくさん参加してくれました。大会サポーターを務めてくれた山本君たちの「QuizKnock」がいかにクイズの裾野を広げてくれているのか。年々広がりを感じていましたが、今年は特にそれを実感しました。

 

山本さん:「QuizKnock」を観てくれている方から「クイズを始めました」「漢字の勉強が楽しくなりました」みたいな反応をもらいます。クイズをやると楽しいし、クイズに限らず知識を得て世界が広がっていくことも楽しい。僕たちの活動によって、そういうことを伝えられて、クイズに貢献できていることが何よりうれしいですね。

 

日高さん:「QuizKnock」は記事を読んだり、動画を観たりするものじゃないですか。だから「何となくクイズに接する」から「実際にクイズをやってみる」の間には相当ハードルがあるはずなんです。でも、そのハードルをすごく下げてくれている。実際にクイズを始める人がこれだけ増えているのは本当にすごいことだと思いますね。

 

齊藤:今年は新型コロナウイルスの影響で、一時は大会の開催自体が危ぶまれていました。でも、クイズの楽しさを伝えている山本君、クイズに取り組む高校生たちと真摯に対峙する日高君、毎年骨太の問題を制作してくださっている田中健一さん、大会を手伝ってくれた大学生のサポーターの皆さん、そして何より夏休みも短くなり、学校生活や部活もままならない中で参加してくれた高校生の皆さんのおかげで、全く新しい形の『ニュース・博識甲子園』をお届けすることができました。クイズを始めた高校生の皆さんにとって、高校時代の目標の1つとなるような大会として、今後も『ニュース・博識甲子園』を継続していきたいと思っています。

 

 

 

写真:日本クイズ協会


『第3回ニュース・博識甲子園』、YouTubeで配信中

 

『第3回ニュース・博識甲子園』の全国大会の様子はYouTubeのアーカイブ動画として配信中となっています。

 

【↓↓ご覧になりたい方は↓↓】

 

[クイズ]第3回 ニュース・博識甲子園 全国大会