大阪での「高校生以下向けクイズ体験会」のレポート、前回の小学生の部に続いて、今回は合同開催となった中学生・高校生の部です。
最初の小手調べ的なペーパーテストでは中学生と高校生の間で点数にほとんど差がつかなかったので、知識の量自体に差がなかったと思うのですが、年齢に比例した知識の深みの差がボタンを押す自信や勇気の差となって現れたようで、早押しクイズは全体を通じて高校生優勢となりました。とはいえ、後述しますが本編終了後のエキシビションでは経験を活かして、中学生たちも高校生たちと遜色なく戦えるようになっていました。若者は飲み込みがいいというか、吸収が早いですね。
また早押しクイズとは違って時間的にじっくり考える余裕がある脱落式の○×クイズでは、2セットとも中学生が最後まで勝ち残り、途中、解答を選んだ理由を尋ねると見事な分析に基づいた推理力を披露するなど、持ちうる知識を使った考える力、地頭力でも大差がないところを見せてくれました。
最終的には早押しクイズでの差が物を言って、高校生が上位を独占する結果となりましたが、参加者の皆さんには大変に見応えのある戦いを繰り広げていただきました。
体験会終了後のエキシビションでは、中学生のみ1問正解すると2ポイント獲得というハンデをつけたうえで7○3×、すなわち高校生は7問、中学生は4問正解で勝利、3問不正解で失格(余談ですがエキシビションの形式を「7○3×にしましょうか?」と言った瞬間の会場の歓声が、この日一番大きかったです)を行ったのですが、中学生が高校生を圧倒してしまい驚きました。しかも、ハンデなしの4〇3×だと考えれば、高校生よりも先に4問正解した中学生が勝利というセットも多数ありました。
協会としても、もう少し工夫の余地があったと反省している点もあり、今回の経験を糧に、今後、参加人数の関係で中高合同開催となるような場合でも、年齢や学年に関係なく参加者が納得のいく結果となるような出題や形式を用意していきたいと思います。
さて、今回の大阪会場の体験会で小学生、中学生・高校生の各部を通じて最も印象に残り、そして協会として今後取り組んでいきたいと改めて思いを新たにしたのはクイズの現場の共有化です。
今回の大阪会場では保護者付き添いが必須の小学生の部だけでなく、中学生・高校生の部もほとんどの参加者の保護者や顧問の先生も見学にお越しになり、我が子や教え子のプレーに一喜一憂したり、熱い声援を送る場面を多数拝見いたしました。
たとえば運動部の試合なら応援席、文化部でも音楽系の発表会やコンクールでは、顧問の先生や保護者の方が大会を見守る姿が一般的によく見られます。今回の体験会は、保護者の方、学校関係者の皆様も一体とした開かれた競技環境の第一歩を見る気がいたしました。
クイズの裾野を広げることで、クイズの公的地位向上を目指している協会としては、我が子や教え子を応援したい保護者や学校関係者が、クイズの魅力に触れ、子供たちとともにクイズそのもののサポーターになってもらえるような環境の整備に取り組んでいきたいと思っております。
多くの方に見ていただく機会が増えれば、これまでのクイズの関係者が見落としてきた クイズ大会の運営面などをよりよくするためのアイデアに出会う機会が増えると思います。
高校生以下向けクイズ体験会は、保護者や顧問の先生にご覧いただける形で、今後も各地で開催していきたいと考えております。東京・大阪以外でも開催してほしいといったご要望や、開催時のボランティアスタッフとしてのご参加など、お気軽に協会までお問い合わせください。今後とも日本クイズ協会へのご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。
◆第1回クイズ体験会来場者数
【東京】
日 程:2017年8月20日(日曜日)
会 場:国立オリンピック記念青少年総合センター
来場者数:小学生の部/参加者8名(男子7名、女子1名)
保護者10名
中学生の部/参加者14名(男子8名、女子6名)
高校生の部/参加者9名(男子9名、女子0名)
【大阪】
日 程:2017年9月10日(日曜日)
会 場:大阪市立港区民センター
来場者数:小学生の部/参加者10名(男子3名、女子7名)
保護者8名
中学生・高校生の部/参加者7名(男子7名<中学生4名、高校生3名>、女子0名)
保護者・学校関係者5名