一般社団法人日本クイズ協会(以下、協会)・会長の齊藤喜徳です。昨年末、東京で開催した第2回高校生以下クイズ体験会の模様を、小学生の部に続き、中学生・高校生の部についてレポートいたします。
昨夏の第1回以来、中学生・高校生の部で顕著な傾向としては、女子からの問い合わせ、参加が多いということが挙げられます。そして今回は何と中学生、高校生とも参加者がほぼ全員女子という結果に! しかも学校行事などによる直前キャンセルがなければ、ほぼ女子で定員オーバーという状況でした。
『東大王』がテレビでレギュラー番組化されたことによって、大半は東大王チームの若きクイズ王のファンとなったことをきっかけにクイズへ関心を持ったようなのですが、クイズ史を知る者としてはなかなか興味深い傾向です。
1つには彼女たちが実際にクイズをプレーし、しかも上達したいと思っていることが挙げられます。「ウルトラクイズ」をはじめクイズ王番組が華やかなりし頃も、出演者のファンはたくさんいました。それでも、実際にクイズを始める女性はほとんどいませんでしたから。
さて、そんな女子中高生だらけで開催された体験会ですが、今回は中高合同開催ということもあり、学習内容の習熟度や経験の差が出てしまわないように、半分の形式で中学生と高校生に分かれて挑戦してもらいました。
そして、今回は初の試みとしてイントロクイズのコーナーも用意しました。中高ともに読み上げ式の早押しクイズではあまりボタンのつかなかった生徒が活躍してくれて、とても喜んでもらえました。ちなみに出題担当は、「イントロマエストロ」として各種メディアに引っ張りダコの藤田太郎さんでした。
また小学生の部と同じく目で見て答えるビジュアルクイズも出題。学校のお勉強ではなかなか知りえないことを出題したのですが、終了後に友だち同士で来ていた生徒たちがイントロやビジュアルの出題を振り返って「高校生クイズにペアやチームで出たら、弱点を補い合えて最強になれるね」と、お互いの長所を讃え合う姿が何とも微笑ましくて、これからも切磋琢磨して夢を叶えてほしいと思いました。
最終的に中学生の部ではリピーター&前回も上位入賞の中2女子が優勝、中3女子が2位、イントロクイズで活躍した中3の唯一の男子が3位、高校生の部は唯一の男子&最上級生の高3が地力を発揮して優勝、初参加の高2女子と高1女子がそれぞれ2位と3位という結果でした。
結果をうけて、高校生の部で3位に入った高1女子が「優勝したと思ったのに…」、1点差で4位となった高1女子も「賞状欲しかった」と、二人そろって悔しさをにじませながら「どうすればもっと強くなれますか?」と司会を担当した日高大介さんを質問攻めにしていました。3位に入れなかった女子中学生たちも同じ感じで、やはり今回参加した女子中高生たちは単なるクイズプレーヤーファンではなく、クイズそのもののファンであることを実感しました。
彼女たちのクイズへの熱意を冷めさせないためにも、協会として女子はもとよりすべての中高生たちが安心してクイズに取り組める環境の整備に改めて力を注ぎたいと思いました。
そして、以前から常々申し上げていますが、中高生たちのクイズへの取り組みが広く社会に認知され評価してもらえるような仕組みを作りたいです。そう、たとえば年末に「バブリーダンス」で音楽番組の話題をさらった大阪の登見丘高校ダンス部が注目されるきっかけにもなった全国大会的なものとか。できればいつか、クイズの特別番組に協会の体験会出身の小中高生をクイズ王チームの一員として出演させてあげたいですね。
そのためにも小学生の部でも申し上げましたように、各地での体験会開催、普及指導員制度の確立、支部の設立など、皆様にお力添えを賜りたいことがたくさんございます。協会一同、これまで以上の努力をもってクイズを愛するすべてのみなさまの要望にお応えしてまいります。引き続き本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
◆第2回高校生以下クイズ体験会(東京会場/中学生・高校生の部)
・日 時:2017年12月17日(日曜日)14時30分~17時30分
・会 場:スマートニュース株式会社 2階イベントスペース
・参加者数:19名
※内 訳:中学生10名/中2(女子7名)、中3(男子1名、女子2名)
高校生9名/高1(女子3名)、高2(女子5名)、高3(男子1名)
・企画内容:①20問限定早押しクイズ/中学生の部・高校生の部
各部とも3ポイント勝ち抜けを5人勝ち抜けまで実施。
勝ち抜け順位に応じたポイントを獲得。
②○×クイズ/中学生・高校生合同
脱落式<不正解した時点で脱落>で5問出題を2セット
脱落するまでの正解数に応じたポイントを獲得。
③20問限定早押しイントロクイズ/中学生・高校生の部
各部とも3P勝ち抜けを5人勝ち抜けまで
(1位10点、2位8点、3位6点、4位4点、5位2点)
④ローリングクイズ/中学生・高校生合同
ボタンにつける人数は12人。正解・誤答で順番待ちの最後尾に。
2ポイント勝ち抜けを8人勝ち抜けまで。
勝ち抜け順位に応じたポイントを獲得。
※中学生の部、高校生の部ごとに獲得ポイント数で最終順位を決定。
1~3位に賞状を授与。